投資商品の1つとしての金(ゴールド)はよく安全資産と言われます。
なぜなら、株や債券とは性質が異なりそのものに価値があり、資産管理の選択肢の1つとなりうるからです。
本記事では、前半では金投資の基礎から押さえて、後半では投資する方法、金投資との付き合い方について私見も交えて話していきます。
金についての基礎知識
まず、金に価値があるのはなぜでしょうか?それは以下が挙げられます。
- 希少である
- 需要がある
- 信用力がある
- 流動性がある
金は埋蔵量は限られており現在の採掘ペースでいくと、あと十数年で掘り尽くされるとされています。
これは、金の価値が高まることに繋がります。
勿論、世界のどこかで巨大な金脈が発見されたり、錬金術が可能になったら話は変わりますが…
次に信用力があるかもポイントです。日本銀行によって発行された紙幣は国によって価値を担保され、日常生活で使うことができます。これがもし、国の信用力がなくなった際には、日本円には価値がなくなってしまい、紙切れになってしまいます。
このように、現金としての資産はその通貨を発行する国の破綻リスクも存在するといえます。(国家破綻の可能性は他のリスクに比べれば小さいため、現金自体も安全資産の1つとされますが…)
例えば、1億円の資産のうち現金を5000万円保有しているとします。
ここで、その一部を現金よりも換金性が高く世界でその価値が認められている資産に変えておいたほうがより安心できるという考え方があります。
また、金には流動性があります。買い手と売り手がいるため商品として価値があります。誰も欲しがらないなら、持っていてもその資産価値は0に等しいと言えるでしょう。
このほかにも、戦争などの有事の際にリスクオフとして買われたり、インフレに強い点も特長として挙げられます。
金への投資方法
金に投資する方法としては以下が挙げられます。
- ゴールドバー
- 地金型金貨
- ゴールドETF
- 投資信託
- 純金積立
この中でオススメなのはゴールドETFです。
その他は取引コストや保管コスト、積立手数料などのコストがより高くつきます。
これは、実際に金の延べ棒を購入して眺めたいという方にはオススメできないのですが、金の価格に連動するETFを購入することで資産の一部に組み入れることができます。
ちなみに、世界最大のゴールドETFは「GLD SPDR ゴールド・シェア」で、価格は
2022/08/24時点で一口約22,000円です。
下図がその1年間の値動きで、2022年2月~3月の露によるウクライナ侵攻に伴う価格上昇、2022年4月以降の米国金利の利上げを受けての価格下落が確認できます。
しかし、経費率が0.40%とコストが比較的高めなところがネックです。

金投資との付き合い方
ここからは私の個人的な意見ですので、参考程度にしていただけたらと思います。
私は投資商品の株式を「攻め」とするなら、金は「守り」というように捉えています。
そのため、資産形成の途中、資産の拡大を狙った長期積立を念頭に置いて投資を始めた方なら「金投資」は不要と考えています。
たまに、資産形成期でも株式・債券・コモディティなどに分散させて運用を行うことを推奨する事例を見ますが、株価暴落を心配してリスク分散させるよりも、現金比率を調整することで十分にリスク管理はできます。
一方、数年後に資産取り崩し期に入る方や、資産分散を考えたい方であれば選択肢の1つになります。
このように資産を守るフェーズであると感じたならポートフォリオの5~10%程度に組み込むこともアリだと思います。
まとめ
- 金は古来から価値ある投資商品
- 金に価値があるのはなぜかを押さえよう
- 金への投資はゴールドETFがおすすめ
- 資産拡大を狙って長期投資している方には不要
- 資産防衛のフェーズの方には選択肢の1つとなりうる
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