2022年2月から続いている不安定な世界情勢と円安の影響を受け、あらゆるものの値段が上がっています。これを読んでくださっている皆さんも、日常生活を送るなかでじわじわと値上げを実感しているはずです。
本記事では、総務省から発表された2022年9月分の家計調査報告をもとに、消費行動の動向についてみていきます。
出典:総務省統計局 家計調査(二人以上の世帯)2022年(令和4年)9月分(2022/11/8公表)
2人以上世帯の消費支出は、前年同月比2.3%増加
4ヶ月連続の増加となっており、物価が上昇する中でも個人消費が多かったようです。
消費支出に最も寄与した項目は?
教養娯楽サービス
12.6%の増加となり、項目の中では特に目立って伸びています。
細かい品目に目を向けてみると「宿泊料」が2.8倍、「国内パック旅行費」が2.7倍になっています。
新型コロナウイルス感染対策の行動制限がなかったことによるリベンジ消費があったことを思わせる結果です。
外食
「食料」は1.2%増であるのに対し、「外食」が28.1%増で「酒類」は19.1%増となりました。
これらについては、10月から外食チェーン店の一部商品で値上げされる旨やアルコール類の値上げがメディアで報道されていましたので、消費者による駆け込み需要があったものが関係しているとみています。
交通
「交通・通信」の項目は8.8%増でした。
特に「鉄道運賃」が2.3倍、「航空運賃」は5.6倍に伸びています。
これらは旅行に伴って増加するため、娯楽・サービスと関係していそうです。
徐々に行動制限緩和が浸透してきており、移動に対する需要が伸びていることが分かるデータですね。
勤労者世帯の実収入は、前年同月比で実質0.2%の増加
物価上昇の中、実収入はどうなっているのか見ておきましょう。
※実収入は一般に言われる税込み収入であり、世帯員全員の現金収入を合計したもの
4~8月は実質減少となっていたところ9月は6ヶ月ぶりのプラスとなったわけではありますが、10月からは食料品の値上げの影響もあるため今後も目が離せません。
まとめ
- 消費支出は前年同月比2.3%増加で4ヶ月連続のプラス
- 新型コロナウイルスによる行動制限がなかったこともあり、リベンジ消費が大きく寄与
- 10月の値上げを見越した駆け込み需要もあった
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