FIREを目指す方の中で人気の高い超高配当ETFのQYLD, JEPQ, JEPI。
「配当が多い=FIRE達成まで近い」と思いがちですが、実際はそう単純ではありません。
私は現在、VYM, HDV, SPYDの3つに投資していますが、これは“保守的だから”ではなく、合理的な理由があります。
反対に、QYLD, JEPQ, JEPIには長期投資家として“避けるべき構造的な弱点”があるため手を出していません。
本記事では、その仕組み・弱点・代替案を深掘りして解説します。
超高配当ETFであるQYLD・JEPQ・JEPIとは何か?
まずは各ETFの概要を一覧でまとめました。
| QYLD | JEPQ | JEPI | |
|---|---|---|---|
| 運用会社 | グローバルX | JPモルガン | JPモルガン |
| 対象 | NASDAQ100 | NASDAQ100 | S&P500 |
| 設定年月 | 2013年12月 | 2022年05月 | 2020年05月 |
| 経費率 [%] | 0.60 | 0.35 | 0.35 |
| 純資産総額 | 1.2兆円 | 4.8兆円 | 6.4兆円 |
| 直近1年間の分配金利回り [%] | 11.72 | 10.59 | 8.34 |
| 3年トータルリターン[%] | 15.0 | 21.58 | 9.08 |
設定年月から見てもかなり新しい投資対象であることが分かります。
やはり超高配当というだけあって、8~11%という高い分配金利回りが魅力です。
カバードコール戦略とは? ~超高配当ETFの“本質”~
QYLD・JEPQ・JEPIといった超高配当ETFの多くは、カバードコール戦略を採用しています。
超高配当の原資が”企業から生まれる利益”ではない
一般的な高配当ETF(VYM・HDV・SPYDなど)は、企業が稼いだ利益の一部を配当として受け取る仕組みです。しかし、QYLD・JEPQ・JEPIの分配金の多くは 企業の利益ではなく“オプション料(プレミアム)” から生まれます。
ここが、超高配当ETFの根本的な特徴です。
カバードコールの仕組み
- まずETF(または運用者)が株を保有する
- そして「その株を一定価格で売る契約」を他人に売る
- これがコールオプションの売却
- 契約を売った代わりにプレミアム(オプション料)を受け取る
- このプレミアムが、投資家に支払われる「分配金」の原資
カバードコール戦略が抱える“3つの弱点”
この戦略には、長期投資やFIREと相性の悪い構造的な問題が存在します。
① 株価上昇の利益を逃す
契約上、一定価格以上に上がったら株を安く売らされるため、強い上昇相場では利益を大きく取り逃がすことになります。
② 株価下落はそのまま受ける
保険のような下落耐性は一切ないため、下落相場では通常の株式と同じかそれ以上に下がります。
③ 横ばい相場だけ強い
株価が大きく動かない相場では、プレミアムが効いて収益化しやすいです。
しかし、上昇相場・下落相場には弱く、横ばい相場限定で強いという極端な戦略になります。
長期投資と相性が悪い理由
- 株価成長を“自ら手放す”戦略をとっている
- 下落耐性が低い
- 分配金が企業業績と関係なく、減配しやすい
これらの理由から、カバードコール型の超高配当ETFは、長期の資産形成やFIREとは根本的に相性が悪い
という結論になります。
私が高配当目的にVYM・HDV・SPYDを選ぶ理由
QYLD, JEPQ, JEPIを避ける一方で、私はVYM・HDV・SPYDの3つに投資しています。
各ETFの概要については、以下の記事を参考にしてください。



これらはすべて、企業業績から生まれる利益を配当として受け取る“正統派インカム”であり、
- 株価成長
- 増配
- 配当の安定性
- 下落耐性
- 長期リターン
というようなFIREに必要な要素を満たしていると考えています。
超高配当ETFが向いている人
ここまで超高配当ETFのデメリットを主張してきましたが、逆にどのような人が向いているのでしょうか。その判断軸を以下にまとめてみました。
- 毎月のキャッシュフローが最優先
- 資産成長の必要がない
- 横ばい相場での利益を重視
- すでに資産が十分あり、配当を“おまけ”で増やしたい
まとめ
超高配当ETFであるQYLD, JEPQ, JEPIは魅力的に見える一方、構造を理解すれば「長期投資・FIRE向けではない」ということがよく分かります。私はその理由から、資産成長と配当の安定性のバランスが良いVYM・HDV・SPYDを高配当投資のコアに据えています。
高配当投資は仕組みを知って選べば強力な投資方法です。自分の投資目的と時間軸に合った投資対象を選んでいきましょう!

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