長期的な資産形成を考える際、多くの人が悩むのが「どのような資産配分(アセットアロケーション)で投資を始めるべきか」という点ではないでしょうか。
例えば、将来的に株式と債券を50%ずつにしたいという目標がある場合、「最初から半々で積み立てるべきか?それとも最初は株式のみで後から債券を増やすべきか?」で迷う方は少なくありません。
本記事では、上記の問いに対しての私の意見と具体的な戦略について紹介していきます。
結論:まずは株式で「攻める」
私の回答は明確で「最終的な目標が株式50%債券50%でも、まずは株式で攻めよう」です。
その理由は主に以下の2つです。
理由1. 株式の方がリターンが高いから
歴史的に見ると長期投資において、株式は債券よりも高いリターンを期待できます。
例えば、毎月10万円を10年間投資した場合で株式のリターンを7%、債券を3%と仮定してシミュレーションしてみましょう。
比較するのは以下の2案です。
- 案A:最初の5年間を株式に、その後の5年間を債券に投資
- 案B:最初から株式と債券を半々で積み立て
シミュレーション結果はこのようになりました。

案Aは約1,652万円、案Bは約1,559万円となり、積立初期に株式を優先する方が約93万円も資産が多くなる結果でした。資産形成の初期段階でリターンの高い株式に集中することで、資産がより効率的に増える可能性が高まるというわけです。
理由2. 資産減少は資産が大きくなるほど大きくなるから
長期投資において、株価の変動による資産の減少は避けて通れません。
しかし、資産が少ないうちは、たとえ株価が大きく下落しても、その影響額は比較的小さくて済みます。
例えば、株式を200万円保有している場合、株価が半分になっても損失は100万円ですが、1,000万円保有している場合は損失が500万円にもなります。
つまり、資産が少ないうちは資産増加に特化した方が効率的であり、株価下落による資産減少の影響も受けにくいと言えます。積立投資を始めたばかりの時期や、資産がまだ少ない段階では、株価の下落よりも毎月追加する元本の額の方が大きいため、全体としての資産減少は起こりにくいわけです。
資産成長とリスク管理のバランス戦略
しかし、資産が増えていくにつれて、話は変わってきます。
資産が大きくなると、「守り」の重要性が増します。
積立投資の後半で、もしITバブル崩壊やリーマンショックのような大規模な株価暴落が起きた場合、数千万円もの損失になる可能性があります。ここで効果を発揮するのが債券です。
下のグラフはリーマンショック期間のS&P500と米国債のETFの値動きです。
参考:リーマンショックの際の株式と債券の値動き

S&P500が30~40%安になった一方で、米国債券のETFであるTLTは20~30%高になっています。この時期に株式と債券を半々に投資していれば、資産の減少を大幅に防ぐことができたのです。
このことから、私は「資産がある程度増えたら債券も検討する」ことをオススメします。
ちなみに、私が債券を検討するタイミングは、あと数年でFIREを達成できそうになったら、もしくは資産の値動きをマイルドに(安定した運用に)したいときというマイルールを持っています。
まとめ
資産形成の初期段階においては、リターンの高い株式へ重点的に投資し、資産増加の効率を最大化することをオススメします。この時期は、仮に株価が下落しても、追加投資される元本が大きいため、全体としての資産減少リスクは比較的小さいと言えます。
一方で、資産規模が大きくなってきた段階では、債券の割合を徐々に増やし、資産全体を株価の大きな変動から守る戦略へ移行することが重要です。
このように、資産の成長段階に応じて柔軟に資産配分(アセットアロケーション)を見直すことで、攻めと守りのバランスを取りながら、効率的かつ安定的に目標資産額を目指すことができます。

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