【制度変更の最新トレンド】年金・金融所得課税・雇用が変わる!? ~会社員・投資家が今から備えるべき6つのポイント~

今後の日本では、投資や節約だけでなく、政治や制度変更への関心が生き残るカギになります。
「知っていて行動する人」と「知らずに行動しない人」の間には将来的に大きな格差が生まれる可能性が高いです。


本記事では、会社員や投資家に大きな影響を与える6つの重要な最新トレンドを解説します。

目次

第1章:2028年から金融所得にも社会保険料がかかる?

2028年以降、投資による収入(金融所得)に対しても社会保険料が課せられる可能性が高まっています。これは、FIRE(早期リタイア)を目指す人や、株や投資信託の取り崩しで生計の一部を立てる高齢者にとって、大きな制度改悪と言えるでしょう。

なぜ「金融所得」にまで保険料が?

日本は少子高齢化が進んだことで75歳以上の医療費が急増しており、その負担の多くを現役世代の保険料と税金が支えている構図です。この不公平感を是正するという名目で、「資産を持つ高齢者にも社会保険料を負担してもらおう」という動きが出てきたのです。

2024年に自民党から出されたのは、「特定口座(源泉徴収あり)」を使っている投資家にも、保険料を課す方向で検討するという内容。これは、これまで確定申告をしなければ対象にならなかった金融所得まで網をかける、という意味になります。

どんな人が影響を受ける?

とくに影響が大きいのは以下のような人たちです:

  • FIREを達成し、金融資産からの収入で生活している現役世代
  • 年金以外に配当や分配金で生活している高齢者
  • 特定口座(源泉徴収あり)で投資をしている人

現在の制度では、特定口座(源泉徴収あり)を利用すれば、金融所得が保険料計算の対象外になっています。しかし、この「抜け道」が塞がれることで、想定外の負担を余儀なくされる可能性もあります。

現時点で確定していることは?

  • ただし、対象年齢や所得基準については、まだ詳細が未決定
  • NISA(新NISA)枠は対象外と明記
  • 適用が開始されるのは早くても2028年以降の見込み

この制度変更は、資産の多い高齢者層を狙った政策という面もありますが、現状は対象年齢については議論されていないため、現役世代であるFIRE民やサラリーマン投資家を巻き込む可能性がある点で続報には注目していきたいですね。


第2章:金融所得課税が20.315%→30%へ?爆上がりのリスク

金融所得課税の強化は、近年たびたび話題にのぼってきたテーマですが、いよいよ実現する可能性が高まりつつあります。もしも税率が現行の20.315%から30%へ引き上げられた場合、多くの投資家にとって間違いなく大打撃となります。

金融所得課税とは?

現在、株式の売却益や配当金、投資信託の分配金などにかかる税金は、一律20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)です。しかし、会社員の給与所得や事業所得などは累進課税で、所得が上がるほど税率も上がります(最大55%)。この不公平感が、課税強化の議論を後押ししてきました。
「資産運用で儲けた人の方が税率が低いのはおかしい」という声は、政治家や一部の有権者の間で根強くあります。

30%課税案の発端と最近の動向

 国民民主の税調は2024年12月24日に発表した「2025年度税制改革と財源についての考え方」で「行き過ぎた格差を是正し、格差の固定化を防止するため、金融所得課税の強化を行う」と主張し「分離課税を30%に上げ、総合課税と選択できるよう目指します」と明記しました。この記述がネット上で「投資増税」と受け止められ話題になりました。最終的には撤回されましたが、同様の議論は昔から政界で繰り返されています。

また、年間合計所得30億円以上、または金融所得のみで10億円以上ある超富裕層に対して課税強化する制度変更が既に2024年からスタートしていますが、対象者は数百人程度との試算です。

このように、金融所得課税の実質的な“引き上げ”がひっそりと始まっています。まずは富裕層から制度を適用し、徐々に対象を中間層にも広げていくのが政府のよくあるパターンです。

想定される影響は?

もし税率が30%に引き上げられると、以下のような影響が想定されます。

  • 1,000万円の売却益に対する税金が、約203万円 → 約300万円に増加
  • 配当や分配金に依存するFIRE民の手取り額が減少
  • 長期運用を前提としたインデックス投資家にも打撃
  • 「増税前に売却しよう」という投資家心理が働き、株価への短期的な乱高下も懸念

今後の対策と心構え

会社員・投資家が今後取るべき対策と心構えは以下が挙げられます。

  • NISA枠内の投資は非課税のままなので、最大限活用する
  • 出口戦略(売却タイミング)を考えておく
  • 分配型投信や高配当株への依存度を見直す
  • 政策動向をSNSや一次情報から常にチェック

第3章:iDeCoの2大改悪とプラチナNISAの落とし穴

「老後資金づくりの味方」として広がってきたiDeCo(イデコ)ですが、2026年以降に2つの大きな制度改悪が予定されています。さらに、2025年から導入予定の「プラチナNISA」にも見過ごせないリスクが潜んでいます。

知らないまま運用を続けると、「税制優遇のつもりが課税地獄」に陥る可能性もあります。

iDeCo改悪①:「5年ルール」→「10年ルール」へ延長

これまでのiDeCoでは、企業の退職金と重ならないように受け取りのタイミングを5年以上ずらすことで、2回分の「退職所得控除」をフルで使う節税術が可能でした(いわゆる5年ルール)。

しかし今後は、この差を10年以上空けないと退職所得控除が重複して使えない、という方向にルールが変更されます。

何が問題?
  • 60歳でiDeCoを一時金で受け取り、65歳で退職金を受け取っても控除が大幅に減る
  • 70歳まで働かないと2回分の控除をフル活用できない人も…
  • 結果として、受け取ったiDeCoに課税される可能性が高まる

特に「大企業で退職金が多く出る人」や「iDeCoの加入期間が長い人」は、税負担がメリットを上回る恐れがあります。

iDeCo改悪②:掛金増額→最後に大増税の罠?

さらに2025年には、掛金の上限額が引き上げられる予定です。一見メリットのように見えますが、出口(受け取り時)で課税されるリスクがあることを知らない人も多いです。

つまり、積み立て中は節税でも、受け取るときに節税分を打ち消すような課税をされるケースが増える可能性があります。

対策
  • 掛金増額前に出口戦略(受取方法と時期)を見直す
  • 退職金の有無や受け取りタイミングを事前にシミュレーションする

プラチナNISAとは?その正体とリスク

2025年以降、金融庁が65歳以上の高齢者を対象に、「プラチナNISA(仮称)」を創設する予定と報道されています。
その特徴は、毎月分配型の投資信託をNISA枠で購入できるようにするというものです。

何が問題?
  • 毎月分配型は手数料が高く、タコ足配当のリスクもある
  • 「年金のようにもらえる」と錯覚しやすく、比較的金融リテラシーの低い高齢者が狙われやすい
  • 一部の証券会社では、すでに同様の商品を高齢者中心に販売している動きがあり、問題視されている

特に「楽天証券」などでは、投資信託の定期売却機能が使えるため、わざわざ高コスト商品を買う必要はありません。「プラチナNISAだから安心安全」という誤解に要注意です。

まとめ:制度の“出口”にこそ罠がある

iDeCoやNISAは、資産形成に有効な制度である一方で、制度変更によって「得」から「損」へ転落するリスクがあります。とくに、「出口戦略(受け取り方)」を知らないと、損をする可能性が高いのが特徴です。

今の制度がずっと続くとは限らないからこそ、「何が変わるか」を知り「どう備えるか」を考えることが、最強の資産防衛策になります。


第4章:厚生年金が国民年金に横取りされる!?

「会社員のための厚生年金が、自営業や主婦の年金に使われる?」
そんな信じがたい話が現実味を帯びてきました。6月には与党・野党を含めた「三党合意」により、国民年金の財源に厚生年金を“流用”する案が法案に明記されるという重大な動きがありました。

今はまだ“検討段階”ですが、将来的には大きな制度変更となる可能性があるため、早めに理解しておくことが重要です。

背景:なぜ国民年金が危機なのか?

2024年に厚労省が発表した年金の財政検証によると、現行制度のままでは国民年金の給付水準が30年後に約3割減少すると予測されており、これには以下のような背景があります。

  • 出生数が激減し、支える現役世代が大幅に減っている
  • 75歳以上の高齢者が急増し、年金受給者が増え続けている
  • 就職氷河期世代の多くが厚生年金に長く加入していない

このままでは自営業者・主婦・非正規労働者といった「基礎年金のみ」の層の年金が大幅に減り、“生活保護予備軍”が激増する可能性があります。

政府の対策案:基礎年金を「厚生年金の積立金」で補う?

そこで打ち出されたのが「国民年金の底上げ策」。しかし、これを実現する財源として浮上したのが、会社員が積み立ててきた厚生年金の一部を流用する案です。これは「国民の理解が得られない」としてまだ決定に至らずですが、近い将来に何らかの形で話題に上がりそうですね。

会社員にとっての問題点は?

  • 長年積み立ててきた厚生年金が減額される可能性
  • 負担だけ増え、将来もらえる年金が相対的に少なくなる
  • 他人の年金補填に使われる不公平感

とくに正社員としてコツコツ働いてきた人ほど損をする仕組みであり、SNSなどでも「これは横取りでは?」という強い批判の声が上がりました。

どんな人が得をするのか?

この制度変更で恩恵を受けるのは以下のような層です:

  • 自営業者、専業主婦、非正規労働者
  • 厚生年金未加入で基礎年金しか受け取れない人
  • 年金額が少なく、生活が困難な世帯(特に高齢単身者)

確かに、国民年金だけでの生活は困難であり、支援が必要な層がいるのは事実です。しかしその財源を「厚生年金加入者の積立金から捻出することに納得できるか?」というのが今回の議論の本質です。

今後どうなる?私たちができる対策は?

  • 正式決定は2029年予定(最終判断は5年後で、それまでに検討)
  • 自分が受け取る将来の年金額をシミュレーションしておく
  • 万が一の減額に備えて、iDeCoやNISAで老後資産を自衛

第5章:厚生年金保険料が最大年間14万円も値上げ!

2027年から、会社員が支払う厚生年金保険料の上限額が段階的に引き上げられることが、2024年6月に成立した年金制度改正法で決まりました。
この制度改正によって、年収が高い層を中心に年間で最大14万円以上もの負担増が発生します。

どのように保険料が引き上げられるのか?

厚生年金保険料は、月収に応じて支払額が決まる仕組みになっています。現在の保険料上限は、報酬月額65万円(年収換算で約780万円)までですが、これが2029年9月までに75万円(年収900万円相当)へ引き上げられます。

引き上げは3年かけて段階的に行われ、次のような影響が出る見込みです。

引き上げ時期保険料上限(月額)年間負担増加額(本人分)※
2027年9月68万円約3万円
2028年9月71万円約7万円
2029年9月75万円約14万円

※実際は会社と本人が半分ずつ負担するため、会社負担も合わせれば2倍分の金額になります。

なぜ引き上げるのか?

理由はやはり以下の背景に伴う「年金財政の悪化」です。

  • 出生数は2024年、ついに70万人を下回る過去最低
  • 一方、75歳以上の高齢者人口は2000万人を突破

このままでは将来の年金支給が困難になる恐れがあるため政府は、「負担能力のある現役世代にもっと払ってもらおう」という方向へと舵を切ったのです。

どのくらい損なのか?シミュレーション

例えば月収75万円の人は、現在より年間約14万円多く保険料を支払うことになります。では、将来の年金はどのくらい増えるのでしょうか?

結論、年金は月あたり約430円(年間5,160円)増加し、元を取るには約28年かかります(会社負担分も含む)。
65歳で年金受給を開始したとしても、93歳まで生きないと元が取れない計算です。

厚生年金は基礎年金に比べて、払った保険料に対する年金受給額の利回りが低く、高年収サラリーマンこそ損をする仕組みと言わざるを得ません。

中間層以下には無関係?実はそうでもない

「私は年収がそこまで高くないから関係ないよ」と思う方も要注意です。
このような改正が一度始まると、さらに対象者を広げることは珍しくありません。

今は上限だけの引き上げでも、次は保険料率の更なる引き上げが議論されるかもしれませんし、給与が上がっていないのに、手取りだけ減っていく時代も現実味を帯びています。

今できる対策は?

  • 昇給や役職手当で報酬が上がる人は、手取りと社会保険料の変化を事前にシミュレーションする
  • 賞与ではなく福利厚生や非課税手当の活用で課税・保険料負担を抑える工夫をする
  • 手取り減少を見越して、本業以外の収入や資産運用の見直しを行う

「給料が上がっても手取りが増えない時代」へ

今後は、昇給しても「実質的に手取りが増えない」「年金への期待値も低い」状況が加速していくと考えられます。
負担増に対してリターンが見合わない制度になっていく中で、会社員も自己防衛としての資産形成と制度理解がますます必要です。


第6章:解雇の自由化が進む?雇用不安の時代へ

日本の「会社に入れば将来は安泰」という神話が、今まさに崩れようとしています。
2024年の自民党総裁選や政策議論を通じて、「解雇規制の緩和」=解雇の自由化が本格的な検討課題として浮上しました。これは会社員にとって、雇用のセーフティネットが失われる可能性を意味します。

解雇の自由化とは?

現在の日本では、社員を正当な理由なく解雇することは非常に困難です。
労働契約法や判例により、企業には以下のような厳しい条件が課されています。

  • 人員削減の必要性・正当性
  • 解雇回避努力(配置転換・希望退職の募集など)
  • 手続きの妥当性(事前説明・面談など)
  • 解雇の社会的妥当性(裁判での判断基準)

これが、いわゆる「解雇4要件」と呼ばれるルールです。

一方、解雇自由化とは、「企業が金銭を支払えば、理由に関わらず雇用契約を解除できる制度」を指します。

2024年に起きた“火種”と現状

2024年の自民党総裁選で、小泉進次郎氏が「解雇の金銭解決制度」に前向きな発言をしたことが話題になりました。
その後、炎上を受けて発言は取り下げられましたが、実は政府内で長年議論され続けているテーマです。

労働市場の流動性を高めたい経済界と、労働者保護を重視する側の攻防は今後も続くと見られます。

小泉進次郎氏による解雇規制緩和の提起についての記事

なぜ今“解雇自由化”なのか?

政府や経済界が解雇規制の緩和を求める背景には、以下のような要因があります:

  • 人手不足・高齢化による雇用の硬直性
  • 外資系企業やスタートアップとの人材流動性の差
  • 「終身雇用」の限界と賃金構造の見直し
  • 世界標準に近づけたいという思惑

つまり、企業が「自由に人材を出し入れできるようにする」ことが経済活性化に必要だ、という論理です。

労働者にとってのリスクは?

この制度が導入されると、以下のような懸念が現実になります。

  • 裁判で「不当解雇」と認定されても、金銭で終結されて復職できない
  • 中高年社員や「声を上げにくい層」がターゲットになるリスク

一見「合理的な制度」に見えても、誰が“金銭解決”を選択できるかが大きな争点です。

今できる備えは?

解雇規制が変わる可能性を前提に、働く側も備えが必要です。

  • 社外でも通用するスキルの見える化(資格・実績の蓄積)
  • 転職市場での市場価値を定期的にチェック
  • 副業や収入の柱を複数持っておく
  • 労働法や制度の知識を持つこと=“雇用の自衛”

雇用も「自己責任」時代に突入する?

「雇用の安定」はかつて、サラリーマンの最大のメリットでした。
しかし、制度変更が進めば、それさえも自己責任で守る時代に移行する可能性があります。

法改正はすぐには起きませんが、今後も警戒が必要です。


まとめ

今回取り上げた制度は「自分には関係ない」と思っているうちに、いつの間にか家計や将来に影響を及ぼすものばかり。大切なのは「知ること」と「行動すること」あなたの未来はあなたの行動で守るしかありません

とはいえ、こうした制度変更のトレンドは「選挙」を通じて、私たち自身が間接的に変える力を持っていることを忘れてはいけません。自分たちの未来を託せる候補者や政党を見極めて応援し、声を上げることが政治を動かす第一歩だと思います。

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