2024年から始まった新NISAですが、実際にどの程度の人がいくらくらい活用しているのでしょうか?
本記事では最新の調査データをもとに、新NISAの利用実態を解説します。
NISAをすでに活用している人も、これから始めようと考えている人も、ぜひ参考にしてみてください。
つみたて投資枠と成長投資枠の利用状況
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠があります。
それぞれの利用状況は以下の通りです。

つみたて投資枠の利用率は成長投資枠よりも低めですが、これは投資商品のラインナップが影響している可能性がありますね。
また、グラフ内の灰色部分は「証券会社に口座開設したが、NISA口座を開設していない人」に相当するのですが2~3割もいることは意外ですね。
新NISAを満額活用している人の割合
新NISAの年間投資枠は360万円で内訳は以下の通りです。
- つみたて投資枠:年間120万円
- 成長投資枠:年間240万円
では、実際に満額活用している人はどれくらいいるのでしょうか?

グラフを見ると、NISAを満額活用している人は2割くらいという結果です。
この結果を受けてどのように感じるでしょうか。SNSやYouTubeでは「NISAに全力投資!」という声が目立つため、実態とのギャップが生じている可能性がありますが、実際には多くの人が自分のペースで投資しているのかもしれませんね。
また、つみたて投資枠の月平均投資額のグラフを見ると、「月5万円」を目安にしている人が多いことが読み取れます。区切りの良さからも納得の結果ですね。
新NISAの継続意向
将来的に新NISAを継続する意向についても調査されています。

ほとんどの人が「今後もNISAを続けたい」と考えていることがわかります。
ちなみに本調査は2024年09月に行われたものであり、8月に起こった日経平均の下落を目の当たりにした後であることを踏まえると、健闘している結果と言えます。
特につみたて投資枠は長期運用を前提としているため、一時的に乱高下があっても継続する意思を持つ人が多いのは納得できます。
しかし、新NISA開始からまだ1年程、まだまだこれからだと思いますね。いずれ積立を止めたり、狼狽売りをする人が出てくるのは避けられないです。
今後、投資行動の変化などがデータとして表れてくるかもしれないので引き続き、ウォッチしていこうと思います。
年齢別の利用傾向
新NISAの利用状況を年齢別に見てみると、以下のような傾向が見られます。

つみたて投資枠は年齢が若いほど利用率が高く、成長投資枠では年齢別の大きな違いは見られません。
年齢が高くなると投資期間が短くなる分、「今から積立を始めても効果が薄い」と考える人が多いのかもしれませんね。ただし、50代からでも65歳まで投資期間は10~15年程確保できますから、値動きがマイルドなポートフォリオなどで安定的に運用する等、戦略次第で有効活用できる可能性もあります。
NISA口座を開設しない理由
調査では「NISA口座を開設していない人」の理由も明らかになっています。

特に「制度がわからない」という理由が多く、情報不足が挙げられています。しかし、ここ数年で投資に関する情報にアクセスしやすい環境が整えられているはずなので、投資を始めないための都合の良い理由として言っているのかなという印象です。
また、「既に所有している資産をNISAに移せない」という点については、場合によっては ”特定口座の分を売却してNISA口座で買い直す” という手段で解決できる可能性もあります。長期投資をするなら、NISAを積極的に活用する方が税制メリットを享受できますし、使わない理由はないと思います。
実際にNISAで儲かっている人はどれくらい?
「儲かっているかどうか」についてのデータもあります。

約半数の人が「利益が出ている」と答えており、全体的にポジティブな結果が出ています。一方で、約1割の人は現状元本割れとなっていますが、特につみたて投資枠の場合、長期的に見ると右肩上がりの可能性が高いため、あまり気にしすぎる必要はないですね。
まとめ
今回は調査データをもとに、新NISAの利用実態についてまとめました。要約すると以下です。
- 約2割の人が満額活用している
- 証券会社に口座開設はしたが、NISA口座を開設していない人が約20~30%存在する
- 88%の人が継続する意向あり
- 約半数の人が利益を出している
- 「制度がわからない」「面倒くさい」といった理由で利用していない人も多い
投資で大切なのは、自分のライフプランやリスク許容度に合わせて無理なく続けることです。
NISAを始めるべきか迷っている、いくら投資すればいいか分からない、という方は、まずは少額からスタートし、少しずつ知識を深めていくのがオススメです!
新NISAは長期的な資産形成に有利な制度ですが、すべての人が満額投資する必要はありません。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

一歩ずつ着実に行動していけば、将来のお金の不安はだんだん消えていくものです。
一緒に頑張っていきましょう!
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