先日、日本の富裕層の分布や資産状況についてのデータが野村総研から発表されました。
今回解説する統計データは、株クラや投資系YouTube界隈では「金持ちピラミッド」と呼ばれており、お馴染みのデータなんです。
本記事では、野村総合研究所から発表された最新の統計データについて解説します。
金持ちピラミッドとは?
「金持ちピラミッド」とは、日本の全世帯を純金融資産保有額に応じて階層分けしたものです。このデータは野村総合研究所(NRI)が2年ごとに公表しており、今回紹介するデータは2023年版のものです。
純金融資産とは?
純金融資産とは、以下の計算式で算出されます。
純金融資産 = 総金融資産(預貯金・株式・投資信託など)− 負債(住宅ローンなど)
つまり、1億円の資産を持っていても、1億円の住宅ローンがある場合、純金融資産は0円とみなされます。これにより、実際の資産規模をより正確に把握できるのが特徴です。
最新の金持ちピラミッドの階層と分布
2023年の最新データ
最新の調査によると、以下のような分布をしています。

2021年との比較
階層別の世帯数の推移
2021年 [ 万世帯 ] | 2023年 [ 万世帯 ] | |
---|---|---|
超富裕層 | 9.0 | 11.8 |
富裕層 | 139.5 | 153.5 |
準富裕層 | 325.4 | 403.9 |
アッパーマス層 | 726.3 | 576.5 |
マス層 | 4213.2 | 4424.7 |
2021年のデータと比較すると、アッパーマス層を除き、すべての階層で世帯数が増加しています。
階層別の保有資産規模の推移
2021年 [ 兆円 ] | 2023年 [ 兆円 ] | |
---|---|---|
超富裕層 | 105 | 135 |
富裕層 | 259 | 334 |
準富裕層 | 258 | 333 |
アッパーマス層 | 332 | 282 |
マス層 | 678 | 711 |
また、2021年時点での準富裕層以上の総資産額は622兆円でしたが、2023年には802兆円まで増加。1世帯あたりの平均資産額も、2年間で約1000万円増加しています。
これは、株高の影響により、富裕層が資産をさらに増やしたことを示しています。
富裕層はどのように資産を増やしているのか?
資産を持つ者はますます豊かになる ~ R > G の法則 ~
資本主義社会では、資産を持っている人がさらに富を増やす構造になっています。
これは「R > G の法則」(トマ・ピケティの理論)として知られ、資本収益率(R)が経済成長率(G)を上回るため、資産を持つ人がより豊かになることを示しています。
野村総合研究所のレポートでは、富裕層の資産が増えた要因として株価上昇が大きく影響していると指摘されています。特に、好調な米国株市場が資産増加を後押ししたと考えられます。
富裕層に近づくために…まず始めること
今すぐ富裕層のように資産を増やすことは難しくても以下のステップを実践することで、富裕層へと近づくことができます。
- 支出をコントロールし、投資資金を確保する
- 収入の一部を強制的に投資に回す(例:給料の10〜20%を投資資金に)
- 不要な消費を減らし、資産を増やす意識を持つ
- 資産を増やす方法を学ぶ
- 株式投資、不動産、ビジネスなど、自分に合った資産形成の手段を学ぶ
- 「お金に働かせる」ことを意識する
- 実際に行動する
- 少額からでも投資を始める
- 長期的な視点で資産を育てる
まとめ
名著「金持ち父さん、貧乏父さん」では、お金を単なる”消費の道具”ではなく、”資産を生む道具”として考えています。もし本当にお金持ちを目指すなら、まずは資産を買う習慣を身につけていきましょう。
「R > G の法則」を理解し、労働収入だけに頼るのをやめ、資産収益を得る仕組みを作ることが、富裕層への第一歩なのです。
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