2024年からスタートした新NISAは、非課税期間の恒久化や投資枠の拡大といった改正が行われ、投資初心者からベテラン投資家まで幅広く注目を集めています。これに伴い、NISAの口座数や買付額は年々増加し続けています。
今回は金融庁から発表されたデータをもとに、NISA口座の利用状況について紹介していきます。
出典:NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について(金融庁)
NISA口座の利用状況
年代別の総口座数の増加率
新NISA開始による口座開設の影響を確認するため、2023年12月末からの増加率も算出してみます。
年代 | NISA総口座数 2024年09月末時点 | 2023年12月末からの 増加率 |
---|---|---|
10歳代 | 128,936 | 114.2% |
20歳代 | 2,878,530 | 27.8% |
30歳代 | 4,391,484 | 18.4% |
40歳代 | 4,826,897 | 19.3% |
50歳代 | 4,810,864 | 21.9% |
60歳代 | 3,691,248 | 15.8% |
70歳代 | 2,858,589 | 8.7% |
80歳代以上 | 1,499,673 | 8.8% |
特に20~50歳代の口座数の増加率が約2割で高いのが分かります。
また、18歳から口座開設が可能になった影響で、10代の口座数がブースト的に増加しているのが分かります。
口座数と累計買付額
NISAの口座数と買付額の推移は以下のようになっています。
口座数については、2023年12月末時点で2000万口座を超え、最新の2024年9月末時点で2500万口座を突破しています。累計買付額は50兆円に迫る結果となっており、新NISAが開始した2024年に入ってからの買付額は1~3月で6兆円、3~6月で4兆円、6~9月も4兆円と驚異的な増加となっています。
特に、1~3月の期間は年初で一括投資をする利用者の影響で高い伸び幅となっています。

資産所得倍増プランで掲げられた目標はいつ達成されそうか?
岸田政権下で政府が掲げていた”資産所得倍増プラン”では2027年までにNISAの口座数を3400万、累計買付額を56兆円に増加させることを目標にしています。私はこれが発表された時、達成は難しいと思っていました。
しかし、前章のグラフを見て分かるように最近の20~50代の口座数の増加や新NISAのスタートに伴うキャンペーン的な企業活動も踏まえると、「目標達成は時間の問題」という見解に変わってきました。
ここでは、最近の伸び率や増加具合をもとに、いつ頃達成されそうか予測してみようと思います。
口座数
新NISA開始直後の2024年1~3月の口座増加数は約186万口座もありました、しかし同年3~6月は105万口座、同年6~9月は81万口座という結果で伸び方は少しずつ鈍化しています。
今回は、口座増加のペースを以下のように仮定して3400万口座到達の時期を予測してみます。
年 | 1年間での口座増加数 |
---|---|
2024 | 452万口座(1~9月の実績:約372万口座) |
2025 | 280万口座 |
2026 | 240万口座 |
2027 | 200万口座 |
2028 | 160万口座 |
2029 | 120万口座 |

口座数が3400万に到達するのは2028年09月という結果になりました。
累計買付額
新NISA開始直後の2024年1~3月の買付額は約6兆円もありました。また、同年3~6月は約4兆円、同年6~9月も約4兆円と、年初一括投資の行動が結果に表れています。
累積買付額については、2024年09月時点で49兆円であるため政府が掲げた目標の56兆円まで約7兆円に迫っています。これは2025年06月には達成できそうな勢いです。
まとめ
- 金融庁から公表されたNISA口座の利用状況の調査結果の最新版について確認しました
- 「貯蓄から投資へ」の肝となる重要な制度” NISA ”が着実に普及していっているのが分かりました
- 最近の動向から、資産所得倍増プランで掲げられた目標がいつ頃達成されそうか予測してみました
コメント